このたび私こと、2020年10月1日付をもちまして一般財団法人昭和経済研究所「アラブ調査室」の室長を仰せつかりました。創設から2020年9月30日まで、45年間の長きにわたって室長を務めてこられた渥美堅持・東京国際大学名誉教授の後を受けて、「アラブ調査室」の運営を担うことになりました。
今後の活動とご連絡は、「アラブ調査室」のホームページとメールマガジンを中心にして、論文や情報などの掲載や公開講演会や研究会などの広報のお知らせを行うことにいたします。
私は、渥美先生の偉業を引き継ぐ者としましては、同じ中東・北アフリカ地域を対象とした研究をしてきておりますが、何分にも研究の方針や手法が異なります。後継の任に堪えられるかは気懸りなところですが、微力ながら精一杯つとめますので、よろしくお願い申し上げます。
これまでのアラブ調査室では、中東・北アフリカ地域の動向とその背景事情について渥美室長ご自身が折に触れて講演されると共に、瀧田眞砂子専任研究員の奮闘により同地域情勢の動きを年4回の「中東季報」という形で日本の主要新聞の報道を中心に取りまとめて各方面に提供し、国内関係者の現地情勢理解に寄与してこられました。
新たな「アラブ調査室」(Office of Arab Studies)では、基本的には従来の方針を受け継ぎ、中東情勢に関して正確な分析をおこなうことに努めます。同時に、調査・研究対象を政治・経済動向だけではなく、文化・伝統・生活などの社会的分野をも含めて国内外の専門家の知見を広く紹介することにも努めたいと考えております。
具体的には、インターネット上に「アラブ調査室」ホームページを開設し、それを活用して研究者・専門家の論文・エッセー・現地報告などを定期的に掲載するとともに、随時に研究会や公開講演会などを開催することを通じて、現下の中東情勢に関する情報の発信と域内情勢の分析などを公表することを計画しています。また日本で働き学ぶ中東からの留学生・研究者・ビジネスマンのエッセーなども紹介し、視聴者の皆様に中東アラブ地域に一層の親近感を持っていただくことを期待しています。
各位におかれては、折に触れて本調査室が開催する公開講演会や研究会などでお世話になることと存じます。また、中東に関わらず、時事問題などについてご意見があれば、いつでも「アラブ調査室」ホームページに投稿していただきたく存じます。
「アラブ調査室」は極小規模の組織ではありますが、上記の活動によって、ささやかながらでも我が国の国際貢献の一翼を担うことができればと願っております。
なお、「アラブ調査室」では、会費などの徴収は行わず、掲載物の閲覧も、いつでも自由にご覧いただけるようにいたします。
2020年11月吉日
一般財団法人昭和経済研究所
「アラブ調査室」室長:塩尻和子